外来のご案内

関節リウマチ外来

特徴


関節リウマチや膠原病領域の診断・治療は日々進化している状況にあり、当院でも最新の知見に基づき、
日本リウマチ学会専門医、 リウマチ財団登録リウマチケア看護師を中心に個々の患者さんに最適な医療が
提供できるように努めています。


【関節リウマチの概要】


関節リウマチは全身性の炎症性自己免疫疾患である膠原病に含まれる病気です。全身の関節に炎症を引き起こし、
関節が破壊されることで変形を来してしまいます。
進行すると関節のみならず全身の臓器や血管にも炎症が波及し、臓器障害を来すこともあります。
遠い昔から関節リウマチと考えられる記録が文献や絵画などに残されており、治療の選択肢が少なかった時代には多くの方が
関節の痛み、変形に悩まされていたと思われます。
関節リウマチの原因は特定されているわけではありませんが、遺伝的要因、環境要因が関与しているとされています。
遺伝的要因の関与とは、100%遺伝することを意味するものではありません。血縁者に関節リウマチの方がいる場合家族内に
複数みられることがある、男性より女性に圧倒的に多い、二卵性双生児に比べ一卵性双生児の発症が多いなどが知られており、
遺伝的要因が関与していると考えられています。
また、出産後の女性の発症が多いこと、喫煙の影響、ウイルス感染の影響など、環境要因の関与も原因として考えられています。


【関節リウマチの診断】


手指のこわばり、関節の腫れ、関節の痛みなどが主な症状ですが、これらは決して関節リウマチに特徴的な症状ではないため、
他の疾患ではないことを見極める除外診断が最も大事といえます。
2010年に診断基準の改訂が行われ、これまでの診断基準では進行するまで見逃されていた方々も、
早期に診断することが可能となりました。
また、近年は超音波検査やMRI検査などの画像検査も強力な補助診断ツールとなっており、当院でも導入しています。


【関節リウマチの治療】


関節リウマチは、発症後2年以内が最も進行しやすいとされ、早期の診断、早期の治療により現在の症状の改善だけではなく、
将来的な関節の変形を予防することも治療の目標となります。
治療は、薬物療法、理学療法(リハビリテーション)、手術療法です。当院においても薬物療法を治療の中心とし、
筋力低下の防止や関節可動域の増加を目的とした理学療法、最近は少なくなりましたが必要な場合は、
整形外科に依頼し滑膜切除術や関節変形に対する手術療法なども行っています。
1990年代から2000年代初頭に数多くの革新的な治療薬が創出され、現在でも毎年のように新薬が登場している状況にあり、
関節リウマチ治療は医学領域の中でも進歩の著しい領域です。その中心が抗リウマチ薬であるメトトレキサート、
炎症性サイトカイン等をターゲットとした生物学的製剤です。これらの治療により、関節破壊の抑制が可能となり、
症状を緩和・消失、 さらには破壊された関節の修復まで期待できるようになりました。
当院では関節リウマチと診断された方に対し、抗リウマチ薬、生物学的製剤、鎮痛剤や副腎皮質ステロイド薬などを
合併症や既往歴、年齢などを考慮し的確に選択し、疾患の進行を抑え症状を抑えることを意味する寛解を
達成できるように努めています。


【おわりに】


手のこわばりがある、関節が痛む、関節が腫れるなどの症状がみられたら、お気軽にご相談ください。
特に症状がないにもかかわらず、健康診断、人間ドックでリウマトイド因子が陽性だった場合も、お気軽にお声かけください。
また、他院ですでに治療を受けていらっしゃる方は、紹介状や検査結果・治療経過が分かるものをお持ち下さい。